
Second Lifeで建物を作るとき、「ドア」や「窓」の開閉ギミックは空間にリアリティを加える大事な要素です。ZimberLab社が提供する WinDoor Script v3 は、そのような演出を手軽かつ高機能に実現できる便利なスクリプトです。
このページでは、初心者でも扱いやすいように、WinDoor Script v3 の使い方を日本語で分かりやすく解説していきます。
ZimberLab WinDoor Scriptとは?
ZimberLab WinDoor Script v3(以下、WinDoor)は、ドアや窓、カーテンなどを開閉させるためのSecond Life用スクリプトです。スクリプトを入れるだけで、以下のようなさまざまな機能が使えます。
- 回転式・スライド式・カーテン式の開閉スタイル
- 自動で閉まるタイマー機能(オートクローズ)
- グループや個別ユーザーにだけ開けるようにするアクセス制限
- 音のカスタマイズ
- 二重扉などの同期動作
- 足元のマットで感知して自動開閉するセンサー機能(Detection Mat)
操作はHUDを使えば簡単に行うことができ、スクリプトの知識がなくても問題ありません。
🛒 ZimberLab WinDoor Script の入手方法
ZimberLab WinDoor Script v3 は、Second Life内のマーケットプレイスまたはZimberLab本店(in-world)で購入できます。
1. Second Life Marketplace から購入する方法
ブラウザで以下のリンクにアクセスして購入できます:
商品一覧から「WinDoor」や「Script Box」などを検索してください。
無料の v2 スクリプトが付属している商品もありますが、v3 スクリプトが同梱されているものを選ぶようにしましょう。
2. In-World(セカンドライフ内)での購入
Second Life 内で以下の場所にテレポートし、ZimberLabの本店にアクセスできます:
店舗ではデモ展示もあるため、実際にスクリプトがどう動くか確認しながら選ぶことができます。
セットアップ手順
ステップ1:スクリプトを準備する
まず、ZimberLabから提供されている Script Box をrez(設置)しましょう。
中に入っているスクリプトの「次の所有者の権限(Next Owner permissions)」を以下のように変更します。
- 「コピー不可(NO COPY)」または「譲渡不可(NO TRANSFER)」に設定
この作業を終えたら、その中身をインベントリにコピーしておきましょう。
ステップ2:スクリプトとノートカードをドアに入れる
ドアに以下の2つを入れます:
ZimberLab WinDoor Script
*Access List
(※アクセス制限を使用する場合)
HUDがある場合は、[ZimberLab WinDoor HUD] を装着しておくと便利です。
ステップ3:設定メニューを開く
ドアを 長押し(HOLD)してスライド(ドラッグ) すると、設定メニューが表示されます。
このメニューから、開閉スタイルやアクセス設定、音の変更などができます。
設定後は、必ず「Finish」で保存してください。
🧼 Detection Matとは?
同梱のDetection Matを使うと自動ドアが作れます。Detection Matにアバターが上に立っている間だけドアを自動で開けておくことができるセンサー機能付きのマットです。
🚪Detection Matのセットアップ方法
- Detection Mat REZZER をRezする
まずは付属の「Detection Mat REZZER」を設置します。初回起動時は、複数のタイプのDetection Matを出せるようにメニューが読み込まれます。
一度REZZERをインベントリに戻し、そのコピーを使ってマットを選んで設置しましょう。 - 目的に合ったDetection MatをRezする
REZZERを使ってマットを選択すると、地面にマットが現れます。大きさや厚みは編集で自由に変えられます。マットの高さ(Z方向)を変えると厚みが変わります。 - ドアとマットをリンクする
Rezしたマットと、連動させたいドアを一つのオブジェクトにリンクします。ドア側が子primになるようにしてください(ドア、マットの順で選択してリンクをします) - Syncチャンネルを合わせる
ドアとマットが正しく連動するには、「Syncチャンネル」が一致している必要があります。マットの「説明欄(Description)」に、ドアと同じチャンネル番号を入力してください(例:Sync1
と指定したら、マットにもSync1
と書きます)。
設定できる主な機能
以下は、WinDoorで設定可能な主要機能の一覧です。
機能名 | 内容 |
---|---|
開閉スタイル | 「回転」「スライド」「カーテン(縮小)」の3種類から選べます。 |
オートクローズ | 開いた後、自動的に閉まるかを設定できます。(秒数の設定はできない) |
アクセス制限 | 「所有者のみ」「グループ」「誰でも」などの他、名前を指定した個別許可も可能です。(付属Access List ノートカードのにアバター名を書く) |
同期チャンネル(Sync) | 両開きのドアやセンサーとの連動が可能です。同じ「チャンネル番号」を設定します。 |
サウンド設定 | 開閉時の音を自由に変更可能。自作音もOKです。 |
Detection Mat連携 | センサーとしてのマットを使って、アバターの接近でドアを自動開閉できます。 |
注意点とトラブル防止のヒント
- 接触での開閉の制限:ドアがファントムか物理状態をなしにした場合は、接触での開閉は起きません。
- アクセスメニューの制限:ドアがリンクセット内で「Root prim」から20m以上離れている場合、エンドユーザー向けのアクセス設定が正しく機能しません(※バグ番号 BUG-5385)。
- マットの回転方向:Detection MatはZ軸(垂直方向)以外に回転しないでください。斜めに設置すると誤動作します。
- バージョンの確認:古いv2スクリプトが入っていることがあるため、必ずv3スクリプトに差し替えてから使用してください。
おわりに
Second Lifeには、無料のドアスクリプトやさまざまな製品がありますが、私がZimberLabのWinDoor Script v3を紹介するのは、それがもっとも安定して動作し、柔軟にカスタマイズでき、ドアや窓にリアルな動きと雰囲気を加えられるツールだと実感しているからです。
設定には少し慣れが必要ですが、自動開閉、アクセス制限、センサー連動など、建物制作に必要な機能がすべて揃っていて、初心者でも扱いやすいのが魅力です。
日本語の情報がほとんどない今だからこそ、実際に長年使ってきた立場から、その良さを伝えたいと思い、このページを作りました。