
現実世界では毎年夏と冬に大規模な同人誌即売会「コミックマーケット」が開かれています。その熱気を知る人なら、「あの雰囲気をオンラインでも体験できたら」と思ったことがあるかもしれません。実はSecond Lifeには、それをそっくりまねたイベントがあります。その名も SLC(コミックマーケットのまねごと)。名前からして遊び心たっぷりのこのイベントは、現実のコミケと同じ日に開催され、バーチャル空間で「コミケ気分」を味わえる場所として親しまれています。
SLCはどんなイベント?
SLCは、同人誌の即売会ではありません。むしろ、Second Lifeらしい小物やアクセサリー、ファッション、アニメやマンガを題材にしたちょっとしたネタアイテムが並ぶ“ゆるい展示即売会”です。会場には長机がずらりと並び、そこに出展者が思い思いの作品を置いていきます。机の列や配置図は「ビッグサイト」風に作られており、歩くだけでも“お祭り”の空気を感じられるのが魅力です。

本格的な商売の場というよりは、クリエイターたちが「こんなの作ったよ!」と見せ合い、訪れた人が「面白い」「かわいい」と気軽に手に取れるような雰囲気。特に同人誌を知らない人でも、Second Lifeのユーザーなら楽しめるはずです。
何ができるの?
来場者はまず、会場を歩いてまわり、机に並んだアイテムを自由に眺めます。気に入った作品があれば、その場でリンデンドル(L$)を使って購入できます。値段は数百L$程度の小物から手に取りやすいものが中心で、気軽に「ちょっとした戦利品」を持ち帰れるのも楽しさのひとつです。

また、SLCの特徴は「必ずしも出展者がその場にいる必要はない」こと。ブースを見て回るときに作者と直接会話できる場合もあれば、展示だけが置かれていることもあります。人と交流して楽しむもよし、ひとりで会場を散歩して雰囲気を味わうもよし。どちらの楽しみ方も歓迎されています。
さらに、「コミケ飯」と呼ばれるエリアなど、現実のコミケをまねた小ネタも会場のアクセントになっています。リアルを知っている人ならニヤリとできるし、知らない人でも「お祭りっぽさ」を感じられる仕掛けです。
どんな雰囲気?
会場はSecond Life内の「Japan Canvas」というクリエイター向けのSIMに設置されます。ここはアダルト要素のないモデレート区分の場所なので、安心して訪れることができます。建物は“東京ビッグサイト風”に作られており、初めて訪れても「あ、コミケを意識しているんだな」と一目でわかるデザイン。

当日は現実のコミケと同じ時間帯を意識してイベントが進行しますが、オンラインならではの柔軟さも魅力です。閉会時間を過ぎてもブースはそのまま残されることが多く、翌日まで展示を眺められることもあります。つまり「時間に追われず、自分のペースで参加できるコミケごっこ」なのです。
行き方と楽しみ方
SLCを見学するのに特別な準備は必要ありません。Second Lifeのアカウントさえあれば誰でも無料で入場できます。イベント当日に案内されるSLURL(会場リンク)をクリックすれば、すぐに会場へテレポート可能です。
買い物をしたい場合は、事前にリンデンドルを少額チャージしておくと安心です。数百〜数千L$あれば十分に楽しめるでしょう。あとは会場をのんびり歩き、机を覗いて、自分のお気に入りを探すだけ。特に目的がなくても、ふらっと訪れて“お祭り気分”を味わうだけでも十分楽しめます。
出展についての補足
SLCは自由参加イベントではありません。出展は主催者とのつながりがある人や推薦を受けた人に限られています。参加費は無料で、自作アイテムを持ち寄るのが基本です。一般見学者にとってはあまり気にする必要はありませんが、「この雰囲気を作っているのは、参加資格を絞ってトラブルを防いでいるから」ということを覚えておくと安心できるでしょう。
まとめ
SLCは、Second Lifeの中で気軽に楽しめる「コミケごっこ」の場です。本格的な同人誌イベントではなく、誰もがちょっとした創作やネタを持ち寄って楽しむ“バーチャル縁日”のようなもの。見に行くだけでも十分にワクワクできるので、Second Life初心者にもおすすめできるイベントです。